食と観光の新たな領域を切り開く。

フードツーリズム・フォーラム

フードツーリズム宣言

2013.09.14
フードツーリズム研究会

フォーラム「関西の食文化とフードツーリズム」の成果のまとめとし、これからのわが国のフードツーリズムの発展に向けて、フードツーリズム宣言を行いました。

<フードツーリズム宣言>

1.フードツーリズムは、地域ならではの料理を味わうことを求める観光形態であり、土地の味覚を通じて、歴史や文化、景色なども体験し、地域の人々のライフスタイルにふれる旅行スタイルです。

2.フードツーリズムは、観光と味覚の成熟から生まれた新しい観光、ニューツーリズムです。

3.フードツーリズムは、地域にとってその土地の食材と調理による美味しい料理を旅行者に提供することにより、地域の良さを再確認することにつながります。また、このことを通じて、地域経済の活性化にも貢献できます。

4.フードツーリズムは、都市と地方の暮らしを相互に豊かにします。私たちはフードツーリズムをさらに広め、地域の振興につなげていきたいと思います。そのため、フードツーリズムの情報収集と情報発信に努めます。

5.フードツーリズムを全国に広め、日本の食文化を高め、魅力ある観光立国日本を目指しましょう。

KANSAI FOOD TOURISM MAP2013

発行:フードツーリズム研究会
発行日:2013年9月1日

  • フードツーリズム研究会が、関西におけるフードツーリズム普及に役立てることが出来ればとの思いから、この度、発行・頒布させていただくこととなりました。
  • 関西フードツーリズムMAPです。次の5つのPDF版(5つに分割)をダウロードして活用ください。
  • A1:表紙・目的と使い方LinkIconB3foodtourismA11309042.pdf
  • A2:関西フードツーリズム一覧LinkIconB3foodtourismA21309042.pdf
  • B1:関西フードツーリズムMAP北部LinkIconB3foodtourismB11309042.pdf
  • B2:関西フードツーリズムMAP南部LinkIconB3foodtourismB21309042.pdf
  • B3:関西フードツーリズムMAP中部LinkIconB3foodtourismB31309042.pdf

関西フードツーリズムマップの紹介:

追手門学院大学准教授 村上喜郁

このMAPは、日本観光研究学会の研究分科会制度に基づき結成された「フードツーリズム研究分科会」の3年間の研究成果の1つとして、当フードツーリズム研究会が編集いたしました。当研究会は、この「関西フードツーリズムマップ」が、皆様のフードツーリズムの助けとなり、関西におけるフードツーリズムがより発展することを願っております。また、今後も「関西フードツーリズムマップ」の改定を進める所存でございます、皆様からのご意見や新たなフードツーリズム情報の提供をお待ちしております。
フードツーリズム研究分科会の当初の目的は、この数年で急増しました農家レストラン、B級ご当地グルメ、フードイベント、食べ歩きマップ、あるいはワイナリーでワインの試飲を楽しむワインツーリズムなど、さまざまな飲食に関わる観光現象を調査し、フードツーリズムの社会における意義や観光学における位置づけを研究するものでした。
その調査・研究のために、当研究会のメンバーが、多くの地域・地方のフードツーリズムの現場に出向きました。もちろん、日本全国には素晴らしいフードツーリズムの事例がいくつもございます。しかし、この関西での農家レストランやフードイベント、あるいは、ご当地グルメを調べるにつけ、フードツーリズムの類型の多くは、この関西にもあるのではないかという確信を得ました。
また、調査・研究に際しましては、メンバー個別の調査に加え、毎年1回、メンバー全員で関西の代表的なフードツーリズムの観光地への視察研修を実施いたしました。1年目は、兵庫県の日本海側の香住(かすみ)に松葉ガニ。2年目は、和歌山県日高町の料理民宿にクエ料理。3年目は、淡路島、南あわじのハモ料理を対象といたしました。
いずれも、関西を代表するグルメであり、素晴らしい美食を堪能することが出来ました。しかし一方、これらの視察研修の中で、在来の「食を対象とした観光」ではあまり注目されていなかった事例について、非常に強い印象が残るものがございました。例えば、鶏卵業者が直営する卵かけごはん専門店、淡路島の山里にあるカフェ、また農村レストランなどです。何か新しいものがそこにはあり、ただ味覚を楽しんだというだけではなく、普段の私たちの生活とは違う「別のライフスタイル」を、食を通じて感じ取りました。
現在、様々な地域で人々が、今までの大量生産・大量消費とは異なる価値観を持った暮らし方を求め、発展させつつあります。そして、その中心には、必ず「食」があります。人々は地元でとれた野菜や海産物などを用いて、美味しいものを作ることに情熱と誇りを持っています。これはまさに、「食」が社会を変えていく時代になったと言えるのではないでしょうか。
本マップは本来、フードツーリズム研究に資する資料として作成したものでございます。しかしながら、関西におけるフードツーリズム普及に役立てることが出来ればとの思いから、この度、発行・頒布させていただくこととなりました。
内容といたしましては、大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の2府4県に、三重県と福井県を加えまして、広域の関西を対象としました「食を目的とした旅=フードツーリズム」としての地域の観光資源を整理したものとなっております。
一般に流通しております観光マップの類とは、そもそもの目的が異なりますことから、観光情報誌としては不十分なものでございます。しかしながら、関西一円における観光の対象となり得る食資源を網羅的に紹介することで、旅行での土地の料理を楽しみ、食のイベントや施設等の情報を得る一助となれば幸いに存じます。


関西地域のフードツーリズム資料提供コーナーの開設

各府県、自治体別に

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